2015年3月24日火曜日

「おんぶ」と「だっこ」(15.03.24)

 赤ちゃんをおんぶしている母親をみかけなくなりました。反対に「前抱き」している母親が多くなっているようです。
 ところで、妊娠を機に腰痛に悩まされる女性が多いという話を聞きます。
 妊娠中は10ヶ月かけてお腹がドンドン大きくなります。出産までに少なくても7~8kg体重が増えます。この重さに対抗するため、腰を反り、背筋を強く緊張させることになります。お腹側にかかる重さとのバランスを取るためです。
 側面のシルエットを見ると腰は大きく反り、腰椎の負担が大きな姿勢になっていることがわかります。

 やっと出産でお腹が軽くなったと思ったら、今度はその赤ちゃんを「前抱き」し、またもや腰を大きく反らせ、背筋を過剰に緊張させる生活が始まります。

 昔は「おんぶ」が当たり前でした。「おんぶ」をすることで、反り腰が緩和する方向に矯正された可能性があります。長期間の「おんぶ」は逆に腰を丸めてしまう恐れがありますが、必要な期間を「おんぶ」で過ごすことで妊娠中に形成された腰椎への過剰な負担と不良姿勢が緩和していたのかもしれません。「おんぶ」の必要な期間が過ぎれば元のニュートラルな姿勢に戻れるというプロセスです。


 あくまでも仮説の域を出ませんが、前あるいは後ろ方向に過剰な重さが加わり続ければ、姿勢が崩れ、腰椎への負担が大きくなることは間違いないでしょう。 
赤ちゃんを抱えるのは父親の仕事になっているケースもあるようですが、抱き方が一方向に偏ればやはり同じことが起こる可能性があります。
 仮説が正しければ、妊娠中に崩れた姿勢を「おんぶ」で修正するのは女性の生活行動(役割)であったといえるかもしれません。
 夫婦がともに家事労働を担当するのは、いいかもしれませんが、腰痛も公平に分散する事態を招くことは避けたいところです。