2014年8月27日水曜日

子供のロコモ?!(14.08.27)


 筋肉や骨や関節など体を動かす器官を運動器といいます。運動器に何らかの問題(障害)があると、スポーツ動作はもちろんのこと日常動作もその影響を受けることになります。それが進行していき、1人で椅子から立ち上がれないとなれば、人の手が必要になります。つまり、要支援、要介護への道が始まるとことを意味します。
 このように、運動器に問題を抱えており、将来寝たきりになるリスクが高い状態にあることを「ロコモティブシンドローム」、通称「ロコモ」といいます。


 ロコモはあくまでも、「QOL維持向上のためには運動器を健全に保ちましょう」という中高年へのメッセージと考えていました。
 ところが最近は、「片脚でしっかり立つ、手を真っ直ぐに上げる、しゃがみ込む」というような基本動作ができない子供が急増していると聞きます。
 雑巾がけをしても腕で支えることができず、顔から落ちていく子供がいることなど昔では考えられなかったことです。このような子供のロコモ予備群化ともいうべき問題は確実に広がっているようです。

 姿勢の崩れた子供が増えていることは、以前から気になっていました。これも一連の運動器トラブルの一つといえるでしょう。ゲーム、スマホ、塾通い(=長時間座位の増加)は子供のスタンダードライフになっています。よい姿勢づくり(筋骨格系統のバランスいい発育発達)につながる日常の身体活動が減少していることが大きな要因のひとつであることは間違いないでしょう。ロコモはメタボにつながり身体リスクはますます高まることになります。

 文科省は運動器教育の導入を検討しているようですが、ひょっとすると、これは身近な大人を見ながら育った結果なのかもしれません。
 現実を冷静に眺めると、子供の親や教員も、子供と同様、姿勢改善をはじめとしたロコモ対策が必要な状況にあるのではないでしょうか?
 「隗より始めよ」という言葉がありますが、子供たちを導く立場である大人が、自身のことに気づいて改善していくという自覚と行為なしに、子供たちばかりに結果を求めることには無理があるのかもしれません。