2014年2月13日木曜日

上を向いて歩こう(14.02.13)

 人の呼吸はその時の感情に影響を受け変化します。怒りのときは強い呼気の連続、泣いているときは強く連続した吸気を行っています。興奮を鎮めるための深呼吸は誰もが経験していると思いますが、呼吸や形を整えることが内面にも影響します。

 呼吸とおなじように、心の様子も顔や姿勢、仕草に現れます。例えば、サッカーの試合結果で選手が皆、肩を落として、うつむき加減といった写真が掲載されれば、たとえ後姿であっても、写真だけで「負けた」ことがわかります。

 話は変わりますが、中年以上の方で坂本九が歌った “上を向いて歩こう” という曲を知らない人はいないと思います。1963年の歌ですが、米国ビルボード誌で1位を記録した、いまだに「アジア圏では唯一の曲」だそうです。
 実はこの曲は、「涙がこぼれないように上を向いて歩こう」という悲しい詞なのですが、九ちゃんが笑顔で「上を向いて・・・」と語りかけるように歌ったイメージが強く、「元気を出して、前を向いて」と呼びかけているように聞こえます。
 
ところで、「しっかり前を向く」「視線を上げる」という行為は、「自信、決意」というような力強さをイメージさせます。一方で、下を向く仕草には、「落胆、失望」といったネガティブなイメージもあります。
 この曲の快挙から半世紀が過ぎたのですが、最近は、電車のなかでも、歩いているときでも、うつむいている人が急増しています。うつむき症候群とでも名付けましょうか。うつむいた視線の先にあるのは手の中の小さな画面。便利なツールですが、何事もやり過ぎは禁物です。
 前かがみの姿勢になるとココロまで沈んでしまいます。
 さぁー、視線を上げて。