2013年8月29日木曜日

足裏感覚から動きを創る(13.08.29)


 ヒザや腰に慢性的な痛みや違和感を抱える人にとって、椅子の立ち座り、床へのしゃがみ込み、中腰姿勢などは、できればやりたくない不快な動作なのではないでしょうか。
 腰部のスタビリティを高めることも効果的ですが、体の使い方そのものを見直すことも大切です。体の使い方はその場で変えることもできます。身体操作が変われば、即、ヒザや腰への負担感も和らぎます。さらに、それを習慣動作にしていくことで日常動作が楽になってきます。動作が楽になれば積極的なトレーニングへと進むことも容易になるでしょう。
 立位からのヒザ曲げ動作は、ヒザ関節だけが曲がることはまずありません。通常は足首とヒザと股関節が連動して曲がります。これらの関節のバランスの良い連動が、とても重要です。

 直立姿勢で足裏に意識を向け、爪先側に体重を乗せていくと、ふくらはぎや背筋など体の背面が緊張します。逆に踵側に体重を乗せていくと、太ももの前や腹筋など、体の前面が緊張します。さらに右足に体重を乗せると右のお尻や左の背筋の緊張が強くなることがわかります。足裏にかかる重さのバランスが偏ることで局所の緊張が高まるということです。
 左右均等で足裏全体にフラットに重さが乗るような感じにすると楽に立つことができます。

 例えば、コンセントを抜くような「前かがみの中腰動作」をすると、足裏の爪先側に体重がかかりやすくなります。ところが、足裏に意識を向け、フラットな接地感覚を維持しながらヒザを曲げていくと、「足首・ヒザ・股関節」が協調するようにバランスよく曲がります。局所への負担も軽減され、楽に動作することができます。
 さらに動作中、腹部に少し意識を向けることで動作が安定してきます。
 足裏感覚から様々な身体操作、身体技法の展開へと、その可能性が広がります。