2013年1月19日土曜日

悪魔のささやき(13.01.19)


 仕事柄、年配の方と接することが多いのですが、その中で「もう年だから」という言葉を聞くことがあります。「年だから無理をしない」というのはわかりますが、「もう年なんだから」という意識が強くなると、その意識に適合するように活動量が減り、体も虚弱化に向かいます。そうなると、ますます「年なんだから」という意識が強くなり、マイナスのスパイラルに入り、終いには、生活活動も自力ではできなくなってしまう道をたどるのではないかと心配になります。

 強く思っていることや、言葉として語ったことが現実になっていくということがあります。ナポレオンヒルは「思考は現実化する」という本を書いています。マザーテレサも、思いが言葉になり、言葉が行動となり、行動は習慣となり、習慣は運命へとつながっていくということを語っています。
 スポーツの世界でも、理想の自分を明確にイメージしそこに近づけていくというトレーニング方法があります。いずれもプラスのイメージや思考から出発し、それが実現していくというものです。
 プラスの思いであれ、マイナスの思いであれ、その思いが実現化されるということであるならば、「もう年なんだから」という言葉は、悪魔のささやきといえるのかもしれません。

 今年、80歳になる三浦雄一郎さんが、3度目のエベレスト登頂を目指します。「心臓病・糖尿病を患っている80歳の爺さんがエベレストに登る、こんな面白いことはないでしょう」と笑いながらインタービューに応えていた姿が印象的でした。 この人の頭の中には、きっと「年だから楽しもうぜ、やろうぜ」というささやきが聞こえているのでしょう。