2012年12月23日日曜日

意識を変えたら痛みが消えた(12.12.23)



リゾートホテルで宿泊者のコンディショニングサポートを行っていた時のことです。杖をつきながら、私のところへやってきた中年のご婦人は、ひどく不機嫌そうな顔をしていました。 
 話を聞くと、リゾートライフを楽しみにやってきたものの、初日のアクティビティで膝を痛めてしまい、歩けなくなってしまったというのです。何でも「吊り橋を渡っている時に、心臓が止まるほどの激痛が走り動けなくなった」とのこと。

 内心「困ったな」と思いました。このような急性痛の場合は医療機関へ行くべきだからです。けれども、ここまでの流れの中で、お断りをすれば、この方は二度とこのホテルには来ないだろうとの思いもあり、トライすることにしました。
 ご本人から状況を聞きながらアイシングを行いました。次に、痛みの生じる運動方向と生じない方向を確認し、歩行動作のどの局面で痛みが起こるのかなどを探っていきました。
 当然のことですが、歩行動作をみると、痛い膝に全神経を集中させていて、隣接する関節も固めてしまっています。
 この膝への過剰意識をやめさせることにしました。「痛い部位を意識しないで」などといっても出来るわけがありません。そのための方法として別の部位に意識を集中させる方法を選びました。股関節意識です。股関節を痛めているわけではないのでここは自由に動かせます。
 股関節意識のトレーニングを行い、歩行動作トレーニングに移りました。もちろん、痛みを感じる動きは一切行いません。結果としてこの方は杖を置いて帰りました。痛みもなくなっていました。
 翌朝の食事の時に廊下を歩いている姿を見ました。杖はありません。ご友人と楽しそうに会話をしながら普通に歩いていました。
 「良かった」と心から思えた瞬間でした。