2010年4月1日木曜日

野生への回帰 (10.04.01)

 日本では、死因の6割以上を生活習慣病が占めています。ペットの動物が糖尿病を患うという話を聞きますが、自然界の動物には、メタボも生活習慣病もありません。
 現代の地球上でも、採集・狩猟生活をしている未開地域の原住民には生活習慣病は存在しないようです。


狩猟  アフリカのブッシュマンとロンドンの住民の血圧を比較したTruswellの興味深い報告(1972年)があります。ロンドンの住民は、加齢に伴い血圧が急上昇していますが、20~75歳までのブッシュマンの年代別血圧は、上が120mmhg前後、下は70mmhg前後で加齢に伴う血圧上昇がありません。
 人類の歴史の大半で、食を求める行為として身体活動(採取・狩猟)が存在していました。もちろん、健康づくりのための運動という概念もなく、飽食もなく、生活習慣病もなかった時代です。

 スポーツや運動ばかりではなく、散歩、家事、庭仕事、洗車など日常の活動すべてを含め、「身体活動量を高めよう」というのが、最近の健康づくり運動の考え方です。
 しかし、「病気予防のために、フィジカル・アクティビティを高めよう」と声高に叫んでも、病で倒れたり、大病の兆候や異変を感じるなど困った状況に陥らなければ、人はなかなか動こうとはしないものです。
 食を得るために活動が必要だったかつての人類のように、気がついたら運動していたという上手い仕掛けが、できないものでしょうか。