2009年12月4日金曜日

“ 意識 ”がもたらすもの(09.12.04)

 筋力トレーニングでは、運動中に主働筋に意識を集中します。「活動中の筋を意識する」という行為は、筋収縮反応を高める促通刺激の一つです。促通とは、身体の中にある様々な感覚に刺激を与え、神経と筋肉のつながりをスムーズにして、筋の出力を上げることです。促通の反対は抑制で、文字通り筋の活動を抑制することであり、両者は正反対の身体反応を表現しています。
 生体に刺激を与えると、何らかの反応が現われます。筋力トレーニングは、負荷、回数、セット数、休息時間などの変数を使い分け、筋力、パワー、筋持久力向上といったそれぞれの目的に対応する身体反応を導く作業であるともいえます。
 筋肉を伸ばすという刺激も、素早く伸ばせば、伸張反射で筋肉が強く縮み(促通)、ゆっくり気持ちよく伸ばせば筋肉が弛む(抑制)という反応が起こります。ストレッチでも伸ばすスピードや強さなど、やり方によっては、異なる反応が現われるということです。従って、どのような反応を求めるのか、その目的に合う方法を選択しなければなりません。

 さて、活動筋への意識が促通につながるならば、筋緊張を抑制するために行うストレッチの指導場面でよく見られる「伸ばしている筋肉を意識しましょう・・・」という説明の仕方に矛盾はないのでしょうか?