2008年5月16日金曜日

中年肥えやすく、記憶保ちがたし (08.05.16)

 「身体は適度に使えば強化され、使わなければ脆弱化する」というトレーニングの原則があります。加齢に伴い体力が低下していくことは万人が認めることですが、虚弱高齢者が存在する一方で、若者も真似できないほどの体力・気力を保持する高齢者が存在することも事実です。
 現在エベレスト登頂に挑戦中の三浦雄一郎氏は75歳。96歳の現役医師、日野原重明氏の活躍も広く知られています。
 加齢に伴い活動量が減少すると、負荷の小さな環境に身体が適応することで体力が低下していきます。活動体力が低下することでますます不活発になり、虚弱化を進行させるという側面を見逃すことはできません。
 頭と身体を上手に刺激し続け、生きがいを探し、人生を楽しむという姿勢を持ち続けている人は、老いてますます元気ということなのでしょう。

 昨年11月、日本認知症学会と東京都老人総合研究所主催の「認知症はここまで治せる!防げる!」という公開講座に参加しました。関心の高さを表すように一階席も二階席も満員。
 「中年肥えやすく、記憶保ちがたし」というフレーズで、場内の笑いを誘ったのが群馬大医学部の山口春保教授。肉より魚と野菜を食べ、赤ワインを少量飲んで、人と楽しく交わり、大いに笑って、週に2回は運動で汗をかき、短時間の昼寝をし、前向きに生きることが脳老化を防ぐ秘訣とまとめました。
 週2回の運動は、「楽しくない」とか「辛い運動」ではダメで、「楽しく行なわなければ効果がない」というマウスの実験結果をベースにした話には説得力がありました。
 運動実践者にとっては、耳を傾けるべき貴重な情報といえそうです。