2008年1月13日日曜日

後ろ歩き (08.01.13)

 人間は生まれてからは、常に前方に歩いています。50歳ならば49年間は前ばかりに歩いていることになります。何十年間も前歩きをしているのですから、せめてクラブでは、後ろ歩きを積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。人間のカラダは形態的に見る限り、決して、後ろ歩きに都合のよい構造にはなっていませんが、球技などでは、後方へすばやく移動する動作をよく見かけますし、体操競技には、バク転などの後方動作が多く存在します。歩きではありませんが、水泳には後ろ向きに泳ぐ背泳という種目もあり、クロールで練習した後に背泳ぎでカラダをほぐすようなことは昔からよく行われてきました。

 ランニングマシンで後ろ歩きをしている人を見かけたことがありますが、これは危険なのでお勧めできません。何といっても安全に行える場所はプールです。最近は、泳ぐ人より歩く人の方が多く、歩きやすい環境になっています。後ろの人やプールの壁との衝突さえ気をつければ、安全に行うことができます。ペアで向かい合って歩けばより安全でしょう。

 高齢者教室で後ろ歩きを中心に行ったとき、「ヒザ痛なので水中は楽。それでも前に歩くと少し痛みを感じていたが、後ろ歩きではまったく痛みがない」、「後ろ歩きで、腰痛がなくなった」、「歩幅が広くなった」などの声も聞かれました。ひょっとしたら、後ろ歩きには未知の効果があるのかもしれません。
「前歩き」のおまけ程度に「後ろ歩き」を少し取り入れるというのではなく、「後ろ歩き」を中心に行うことがポイントです。もちろん、やってみて違和感がある場合は、決して無理には行わないでください。